朝は下から差し込む。コンクリートと緑の井戸のような沈床の庭が、最初の光を住まいの奥へと導き、木型の記憶をとどめた打ち放しコンクリートの壁を照らす。
The Grace は、伊東豊雄が構想し清水建設が手がけた建物のなかにある、2層・163㎡のガーデン・メゾネット。29㎡の専用庭を備える。自らの緑と同じ高さに暮らす——東京では稀な住まいである。
ガラスが滑り開くと、部屋と庭の境界は静かに消えてゆく。
上階の部屋も同じ素材でつづく。漆喰、オーク、そしてガラス越しの庭。
夕暮れはまず、エントランスの通路に集まる——コンクリートに寄り添う暖かな光、木々の向こうで街が静もる。ここでは、帰り着くことも建築の一部である。
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